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ハート・ロッカー

監督:キャスリン・ビグロー
脚本:マーク・ボール
出演:ジェレミー・レナー、ガイ・ピアース、レイフ・ファインズ、デヴィッド・モース

hurt locker

ストーリー
2004年のイラク、アメリカ軍の爆弾処理班にジェームズ軍曹がやってくる。彼は型破りの方法で爆弾処理を進め、周囲のメンバーは不安がっていく…

アカデミー賞を6つも取りましたんで、知名度は結構あるでしょう。『アバター』に対するダークホースだとかCUT紙で行っていましたけど、『アバター』は作品賞級の作品じゃないでしょう、と突っ込みたいです。

そんなことはさておき、アカデミー賞作品賞ですから、観る側としてもハードルを上げざるを得ません。ですが、いい意味でこの作品、期待を裏切ってくれました。

評論というか説明するにあたり、断っておきたいんですけど、僕はキャスリン・ビグロー作品を一つも観ていないです。なので、この監督はどういう作風でこんなショットが得意とかは全く知りません。

まず、巷(ちまた)では「イラク戦争を描いている」とか言ってますけど、それは違うんじゃないかと思います。たしかに、舞台はイラクです。しかし「敵が悪い奴だ!」「アメリカ軍は善だ!」みたいなシーンはないです。そこはおさえておいてほしいです。

そして重要なことと言えば、主演の人、ジェレミー・レナー。この人は、『28週後』とか『ジェシー・ジェームズの暗殺』とかに出ているらしいですが、僕は知りませんでした。映画好きでなければ尚更知らないでしょう。

いっちゃ悪いですけど、その無名な人を使った理由は考えると、
1.戦場には自分たちが名前も知らないようながいる
2.各線上の最大公約数的な存在(つまり、無名の兵士の代表)
とかになると思います。

あと、ガイ・ピアースがジェレミー・レナーの前任の班長なんですけど、開始早々(10分くらいかな?)爆弾で死にます。これは、ネタバレではないですよ。そうしなきゃジェレミー・レナーは赴任してきませんからね。

そんで、ガイ・ピアースは『メメント』とか『L.Aコンフィデンシャル』とかでそれなりに有名です(少なくともジェレミー・レナーよりは)。有名俳優と言うものは、基本的に映画では死にません。死ぬのは助演というか脇役のそこまで知名度のない俳優ばかりです。

ここで、ガイ・ピアース扮する班長(この人は部下からの信頼も厚く凄く穏やかな人です)が死ぬということは、有名俳優を殺すというか亡くならせることで、誰が死んでもおかしくないということを示しているのです。

僕は、観ている最中、「ジェレミー・レナーが死ぬのかそれとも、もう一人の軍曹が死ぬのか?」と思っていました。ここでは「死亡フラグ」は役に立ちません。

主人公はある意味「戦争ジャンキー」みたいなやつです。予告編にも出たように873個爆弾処理をしたといっています。普通じゃありません。それだけ、過去に戦場に繰り出しているということです。

このことを説明するために映画の冒頭で「戦争はドラッグだ。」というテロップが出ます。どう考えても伏線ですが、ジェレミー・レナーが今までに処理した爆弾の数をいうときと、最後のシーンに生きてきます。

『ディア・ハンター』とか『地獄の黙示録』などと言った作品は、戦争によって登場人物がくるっていく様をうまく描いています。ともに、かなり長めなのであまりオススメはしませんが、観た方がいい映画です。前者は、アカデミー作品賞、後者はカンヌ映画祭パルムドール受賞作品です。

今あげた2つの映画とは違い、戦争に快楽を感じるようにまでなるわけです。ある意味くるっているといっても正しい気もしますけど。

ただ、今の2作品はと『ハート・ロッカー』は違い人間的におかしくなるという描写はないです。

従来の戦争映画というものは、お互いが戦車やマシンガンといった銃火器を使い相手を倒すというものですが。この作品ではそういったシーンもあることはありますけど、基本的にメインはそこではありません。

じゃあ何がメインなのかというと、当然のことながら「爆発物の処理」です。

爆弾処理は適当に近づいて、配線を切って、「はいおしまい」ではありません。そこに至るまでに、民間人を避難させ、爆弾処理をしている人を爆弾を起動させる敵から守りつつ、任務を遂行するという結構面倒な作業が必要になります。

ここでポイントなのは、いつ起動するのかわからないということから、緊張感をずっと保ち続けることになります。爆発しようがしまいがです。

冒頭のガイ・ピアースが死ぬシーンはガイ・ピアースが死ぬとわかっていても緊張します。いつ爆発するのかが、とても気になるからでしょう。

ずっと緊張感を保ち続けるというのは、ホラー映画でいつお化けが出てくるのか、というものと非常に似た構造をしていると思います。

ハリウッドらしい娯楽大作とは違い、爆弾がボンボン爆発するだけの映画ではありません。劇中にいくつかありますけど、そこを強調していないことをわかった上で観ないと肩透かしを食らう感じになります。

さらに、アカデミー録音賞を受賞しています。このことについても少し書きたいです。

パンフレットを読んでそこに書いてあったことになってしまいますが、劇中の音は実際に録音をしたものらしいです。それをうまく混ぜて実物に近付けているらしいです。なので、ものすごくリアリティのある音になっています。

静寂からの爆音はとてもいいと思います。

撮影の仕方は、人の視点をうまく表す、画面がよく揺れる取り方です。酔う人もいるのかもしれませんけど、緊迫したシーンは妙にリアリティのあるつくりになっています。

先ほど書いたように、戦争の否定でも賛否でもありません。あくまで「爆弾処理の日常」を描いています。今までの映画にはなかった、戦争映画だと思います(僕の観た限りでは)。そういう意味で、劇場に行ってみるといいと思います。

あと、小ネタになりますけど、タイトルの『ハート・ロッカー』という言葉には、「棺桶にお前を送り込む」という感じの意味があるそうです。

ついでの、僕は最後のジャンプカットのあたりに唸りました。そして字幕の出るあたりは心が震えました。『イングロリアス・バスターズ』のエンドロール以来でしょう。

あと、町山さんが言ってましたけど、みのもんたのコメントは明らかにミスだと思います。
「いつも犠牲になるのは市民…云々」とかいうやつです。

評価:90点
一部退屈にも思えますが、131分で重い内容を扱っておきながら、よくぞここまで面白く作るなと思いました。

まだ、説明不足なので、今度追記を書きたいと思います。

すみませんね、長くて。
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comment

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No title

こんばんは!
確かに、音は凄かった!
臨場感ありましたね。まさにリアルでした。

この映画は、というかこの映画こそ、とにかく映画館でみないとダメだと思う。

No title

blogへのコメントありがとうございます☆

映画を自分なりに考えて解釈してまとめてらっしゃいますね♪読んでて感心しました!
オスカーをとったからとかじゃなくて、まず観て、世界の現実を感じないといけない映画ですね!
そういう意味で「観るべき映画」だとボクは思います!

Re: No title

kasshyさん、コメントありがとうございます。

映画は映画館と思わせてくれる作品でしたね。

『This Is It』の最後に劇場でみんなが拍手する、『アバター』をIMAXで観る、これらは家ではできませんからね。

毒にも薬にもならない映画なら家でもいいかもしれませんけど、『ミスト』とか『20世紀少年』とか大方が文句を言いそうな映画も映画館だと一層楽しめると思います。

Re: No title

lincoln14thさん 、コメントありがとうございます。

考え方をまとめるというよりも、映画をなるべく正しく観たいという方が先でしょうか。監督や製作者の意図を理解したうえで話をしないと、なんだかもったいないので。

『グラン・トリノ』のラストを「民族対立を避けるため…」とか評論したくないですからね。

映画は正しく観て考えないとだめですもんね。
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